お知らせ
NEWS
安心してお産をむかえるために
三代にわたり、地域のお産を見守り続けています
当院は祖父の代から三代にわたり、米子市で地域に根ざした周産期医療を提供してまいりました。
妊婦健診から分娩、産後のケアまでを一貫して担う中で、私たちが大切にしてきたことがあります。
それは「安全な分娩管理」です。
お産は多くの場合、自然な経過で進みます。しかし母体やお子さまの状態は、分娩の進行とともに変化することがあります。だからこそ当院では、経験に基づいた丁寧な観察と、必要な場面での迅速な対応を基本方針としています。分娩の経過は一人ひとり異なり、教科書通りに進まないこともあります。日々の診療で積み重ねてきた経験を土台に、その時々の状態を丁寧に見極め、必要な判断を早め早めに行うこと。それが、母児の安全を守る何より確かな道だと考えています。
分娩中・分娩後の見守り
分娩中は、陣痛の状態や赤ちゃんの心拍を継続的に確認しながら経過を評価し、変化の兆候がみられた場合には早い段階で対応を検討します。状況に応じて、次のような対応を行うことがあります。
- 陣痛が弱く進行がゆっくりな場合:陣痛を助ける薬剤を、状態を確認しながら慎重に使用します。
- 分娩の最終段階で速やかな娩出が必要な場合:吸引分娩・鉗子分娩でお手伝いします。
- 痛みや負担を和らげたい場合:局所麻酔による和痛分娩で心身の負担軽減を図ります。
出産後も、出血や新生児の呼吸状態を注意深く観察します。出血が多い場合は輸液や薬剤投与などを段階的に行い、赤ちゃんの呼吸が整いにくい場合はガイドライン(NCPR)に基づくサポートを行います。いずれも、お母さまと赤ちゃん双方の安全を守るための選択肢であり、必要性とリスクをその都度丁寧に見極めています。

地域医療連携という支え
当院は有床の産婦人科として、妊婦健診から分娩、産後ケアまでを身近な地域で受けていただけることを大切にしています。住む場所によって、安心して相談できる医療の選択肢を諦めていただきたくない⸺そうした思いで日々の診療にあたっています。
一方で、総合病院とは異なる体制上の限界があることも事実です。当院にはNICU(新生児集中治療室)を設置しておらず、高度な集中治療が必要な場合は、NICUを有する高次医療機関へ新生児を搬送します。また、緊急帝王切開や当院の対応能力を超える出血が生じた場合も、時間を置かずに高次医療機関へ搬送する連携体制を整えています。「必要な医療を身近に」提供しながら、いざという時には迷わず適切な医療機関へつなぐ。この両立が、母児の安全を守る確かな道だと考えています。
スタッフ全員の経験を、安心につなげる
安全なお産を支えているのは、医師だけではありません。助産師、看護師、受付・事務のスタッフまで、それぞれが積み重ねてきた経験と専門性を持ち寄り、一つのチームとして皆さまに向き合うことで、はじめて成り立つものです。
助産師はお母さまに最も近い立場で身体面と心の両方に寄り添い、看護師は入院中の日々のケアを担い、受付・事務スタッフは来院される方が安心して相談できるよう気を配っています。こうした経験は、日々の申し送りやカンファレンスを通じて共有し、チーム全体の判断力として積み上げています。職員教育や接遇の向上にも力を入れ、スタッフ全員が経験を持ち寄って向き合う体制づくりに努めています。
おわりに
安全な分娩管理とは、特別なことをすることではありません。日々の経過を丁寧に見つめ、変化を見逃さず、必要な時に迷わず行動すること。当院だけで対応しきれない場面では地域の医療機関と手を取り合い、院内では医師とスタッフ全員が経験を持ち寄ってチームとして向き合うこと。
それが、三代にわたって積み重ねてきた「安心して妊娠・出産できる地域をつくる」という理念の土台です。
どうぞ安心して、出産の日を迎えていただければと思います。
医療法人 中曽産科婦人科医院 院長